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城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 郷 信広
Journal of the American Chemical Society, 127(24), p.8705 - 8709, 2005/06
被引用回数:27 パーセンタイル:61.19(Chemistry, Multidisciplinary)ボゾンピークとは200K以下の生体高分子を含む多くのガラス状物質による非弾性中性子散乱やラマン散乱スペクトルの低振数領域に見られる幅の広いピークを指す。本論文では蛋白質のボゾンピークの起源に関する新しい描像を与える。分子動力学シミュレーションによれば、蛋白質分子のまわりの構造水分子は蛋白質のエネルギー地形の多極小性を一層際立たせ、これがボゾンピークの起源となっている。ピークは蛋白質分子が、水分子に由来するエネルギー極小構造に低温で束縛されることによって生じる。
玉田 正男; 越川 博; 細井 文雄; 諏訪 武
Radiation Physics and Chemistry, 54(4), p.409 - 411, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:21.17(Chemistry, Physical)ポリビニルカルバゾール(PVCz)を323Kから623Kのアルゴンガス雰囲気で2MeVの電子線を照射し、架橋をゲルパーミエーションクロマトグラムとゲル分率で評価した。50KGyの線照射ではPVCzは分解したが、同線量の電子線照射では高分子量成分が増加し、架橋した。100KGyまで照射すると線を用いた場合においても架橋が生じ、線量の増加とともにゲル分率が増加した。500KGyの照射で電子線では75%、線では60%のゲル分率が得られた。電子線照射の場合について、照射温度の影響を検討したところ、ガラス転移点に近い473Kまでの加熱では架橋の効率が上昇した。さらに昇温すると熱分解が生じ、架橋の効率が低下した。
R.L.Leheny*; N.Menon*; S.R.Nagel*; D.L.Price*; 鈴谷 賢太郎; P.Thiyagarajan*
Journal of Chemical Physics, 105(17), p.7783 - 7794, 1996/11
被引用回数:96 パーセンタイル:93.96(Chemistry, Physical)有機ガラスを形成する重水素化プロピレングリコールを、動的応答が通常液体である領域から緩和時間が発散する点以下の温度まで、中性子回折実験によって調べた。散乱ベクトルのレンジは大変広く0.01Q30である。クラスター形成を示唆する一般的なモデルに対して、我々の実験では、そのような分子スケールを超える大きな不均一領域の存在を示す証拠は見いだされなかった。むしろ、より短範囲領域においてわずかな結合距離の変化を見いだした。この変化は、分子動力学実験によって、冷却中の液体における密度の増加と水素結合によって引きおこされる分子配向の増加によるものであることがわかった。分子間配向性の解析は、分子の相対的な位置が互い非常に強く依存し合っていることを明らかにした。
工藤 久明; 貴家 恒男; 瀬口 忠男; 勝村 庸介*
Polymer, 37(21), p.4663 - 4665, 1996/10
被引用回数:21 パーセンタイル:65.04(Polymer Science)高分子材料の照射効果(放射線劣化)のLET依存性を調べるため、ポリメタクリル酸メテル(PMMA)とガラス繊維強化樹脂(GFRP)に、サイクロトロンからの高エネルギー(30, 45MeV)プロトンを照射し、3点曲げ試験、分子量測定、ガラス転移温度測定を行った。曲げ強度, 分子量, ガラス転移温度とも線量とともに低下したが、線量に対する挙動はCo-60ガンマ線に対するものと同じだった。Co-60ガンマ線30MeVプロトンの範囲では、LET効果は見られなかった。
D.J.T.Hill*; 工藤 久明; 瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 48(5), p.569 - 576, 1996/00
被引用回数:10 パーセンタイル:65.27(Chemistry, Physical)芳香族系の熱可塑性エンジニアリングプラスチックであるポリサルホン類を、室温からガラス転移温度(約200C)の範囲で電子線照射して、引張特性の変化を調べた。室温照射では50kGy程度で、引張特性は向上するが、照射温度を上げるにつれてこの効果は小さくなった。これらの結果はガンマ線照射でも見られた。50kGy以上の照射では、引張特性は劣化していった。高温での照射では、照射で切断した分子鎖の末端が動きやすいために、分子鎖間の相互作用が促進されて引張特性が向上すると考えられる。
not registered
PNC TJ1214 94-002, 52 Pages, 1994/03
本研究では、ウランの非晶質固相(UO/SUB2・xH/SUB2/O)の結晶性固相(UO/SUB2(cr))への変化を実験的に観察するとともに、得られた結果を解析し、メカニズムの推定に基づく沈澱/溶解の速度式、速度定数の推定を行った。 以下に得られた結果を示す。(1)濃塩酸により金属ウランを溶解して得たU(IV)の溶液にアルカリを添加し、ウランの沈澱固相を得た。X線回析によりこの固相はウランの非結晶固相であること、TG/DTAにより1モルの結晶水が結合した状態であることがわかった。(2)初期の非結晶固相は素早く結晶化され、25度C、30日後では結晶化度として約40%の値が得られた。これに対し、ウランの溶解度はほとんど変化なく、10/SUP-10/mol/lであることがわかった。(3)平衡論モデルにより10/SUP10/mol/lとなるための支配固相は、UO/SUB2(Cr)であることが推定された。また、速度論モデルにより溶液中のウラン濃度の変化を解析した結果、UO/SUB2(cr)の沈澱速度定数が1x10/SUP-9/mol/cm/SUP2/-secの場合、約5時間でUO/SUB2(cr)の溶解度に近づくことがわかった。
三友 宏志*; 河野 昂*; 渡辺 祐平; 伊藤 均; 石垣 功
Reports on Progress in Polymer Physics in Japan, 34, p.415 - 416, 1991/00
微生物産生ポリエステルであるPHBおよびその共重合体Poly(HB-CO-20mol%HV)を線照射し、線量に対する分子量、融点およびガラス転移点の低下を調べた。PHBおよびP(HB-CO-HV)のDSC測定から求めた融点は照射線量に対してはほぼ直線的に低下するが、空気中照射に比べ真空中の方がその低下は小さい。また、GPCから求めた数平均分子量は低線量照射で急激に低下するが、その後は線量に対して徐々に低下した。真空中ではその度合いが小さくなり、酸素の影響が明らかに見られた。ほぼ同じ分子量を示す真空中照射試料の融点は空気中のそれより約15C低いところに現れ、細かく結晶が壊されているにもかかわらず分子間架橋のために分子量が高く見積もられているものと推定された。またガラス転移温度も空気中では直線的に低下したが、真空中ではS字型曲線に沿った減少を示し、架橋の生成が転移温度の低下を遅延させたと考えられる。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲
Eur.Polym.J., 21(9), p.777 - 779, 1985/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Polymer Science)アルキルアミノ置換基をもつスチレン誘導体(CH=CH・CH・CHCHNRR)のポリマーは生体適合性素材として高く評価されている。これらのモノマーの放射線重合性については、今まで全く報告されていない。そこで、我々はCo線源からの線を用いて、-96Cから25Cの温度範囲でのモノマーの重合性について検討した。例えば、(2-isopropylaminoethyl)-4-vinylbenzene(IPVB)のガラス転移温度(Tg)は-94Cであるが、-96C、-78C、-55C、-37C、-24C、0Cそして25Cの温度下、410rad照射した時のIPVBの重合収率は各々2.4%、27.4%、39.9%、35.7%、36.4%、54.8%、そして71.3%となった。この線量でのポリマーはやわらかくガム状であったが10rad以上照射したポリマーはかたく、透明な状態を呈した。これらの結果と、粘度、IRのデーターから重合メカニズムについて考察した。
古屋 廣高*; 佐藤 正知*
PNC TJ168 81-01, 60 Pages, 1981/03
高レベル放射性廃液固化体内での原子核崩壊によって生じる固化体の照射効果については70年代半ばになって欧米各国で研究が開始され,現在,急速にデータが蓄積されつつある現況である。本報告では,最新の文献を含めこれらを調査し検討した。照射効果については次の7点が検討の対象とされている,1)照射による体積変化,2)蓄積エネルギーとその放出挙動,3)浸出率への影響,4)結晶相の非晶質化と割れの問題,5)崩壊によるヘリウム蓄積と応力発生,6)機械的性質への影響,7)崩壊による原子価変化と化学的特性への影響。各種崩壊による照射効果への寄与については,崩壊からの損傷形成による効果がその大半を占めることが明らかになった。そこで各国とも,短半減期崩壊核種を固化体に溶解させ内部照射する,所謂,加速試験を最も信頼できる方法として採用している。この方法は,強い線と線を放出する為,代替法も検討され重イオン照射,中性子照射,核分裂破片による方法など検討されている。加速試験による上記7点について各国で実験的に検討した結果につき以下に示す。1)については最大1%程度,2)についてはデータに差もあるが蓄積エネルギーの放出は,ゆるやかで温度の急上昇などの問題はない,3)浸出率のデータは誤差をともなうが,照射試料と非照射試料で特に差は認められないが,最大2倍程度のデータもある,4)結晶化させた固化体については析出結晶相によって割れが生じた,この点については今後とも検討の必要があると思われる,5)については生成ヘリウムは拡散係数も小さく,ほぼ固化体内に蓄積される,固化体内での圧力や,万一の温度上昇などでプレナム内にヘリウムが放出したときの圧力等計算された。6)破壊後の粒度分布測定がなされ,照射,非照射試料について差は認められなかった。7)現在までほとんど研究されていないが,問題となり得ることはないと考えられている。以上が現在までの結果の要約であるが,照射効果の研究はまだ開始されたばかりであり,今後の研究の進展が期待される。特に我が国においては固化体の照射効果についての実験的検討は皆無である。加速試験を行なう場合,集積線量が飽和値に達するまで照射開始後2年程度は必要であり,この方面での早急な対策が望まれる。(2000.12.15 Z -- T)
土井 健治; 綾野 哲雄*; 河村 和孝*
Journal of Non-Crystalline Solids, 34(3), p.405 - 418, 1979/00
被引用回数:28非晶質金属PdSiをJMTRで速中性子照射し、(510n/cm1MeV)、その構造変化をX線散乱強度及び走査型示差熱分析により研究した。得られた結果は次の通りである。1)照射前に約8のnangeを持つ短距離秩序が存在するが、これは照射によって殆んど影響されない。2)照射前は構造のゆらぎが殆んど存在しないが、照射後約20のrangeを持つ構造のゆらぎ(電子密度分布の不均一性)が見出される。3)照射により、ガラス転位点が約10°K上昇する。これらの結果より、照射による構造変化を論じた。特に構造的、熱力学的には「完全非晶質固体」の構造模型を露呈し、照射による構造変化をこの模型より論議したと「記載できることを示した。
中瀬 吉昭
熱分析実験技術入門, p.71 - 72, 1979/00
JAERI-A2395(JAERI-J3735,1973年)と同一であり、上記単行本に再録された。本書は熱分析の実験技術の入門解説書であり、熱分析装置製作に関する技術,無機物質,有機物質の熱分析,反応速度の解析,一般熱物性の測定法,及び周辺実験技術に関して、10章よりなる。標題の「放射線重合の熱化学」は、高分子,有機物質の熱分析の1節である。また、本書は真空理工(株)を発行所とし、科学技術社を販売元とし、販売ルートの1つとして丸善(株)を経て出版されるものである。
岡本 次郎; 伊藤 政幸
JAERI-M 7491, 15 Pages, 1978/01
テトラフルオルエチレン-プロピレン共重合体は耐熱性、耐薬品性に優れた性質を有する。しかしガラス転移温度が高く耐寒性を要求される材料としての用途に制限がある。この報告は耐寒性を支配するガラス転移温度の改良を目的とし、オレフィン、ビニールエーテル、アクリレート、含フッ素ビニール系などを第三成分とする三元共重合反応を試み、得られた三元共重合体のガラス転移温度と分解温度から評価した。その結果、ブテン-1、n-ブチルアクリレートを第三成分とする三元共重合体がガラス転移温度、分解温度の点から優れていることを明らかにした。
嘉悦 勲; 吉井 文男; 渡辺 祐平
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 16(10), p.2645 - 2650, 1978/00
ガラス化性モノマーを低温で重合させると、重合速度の温度依存性に特異な極大と極小が現れる特徴がある。これは実用上も重要な性質であり、これまでにこの温度依存性に影響する因子について研究を重ねてきたが、本報では、圧力を加えることによってどのような変化が現れるかについて検討した。その結果5000気圧以下の加圧下でも、モノマー系のガラス転移点が上昇し、それとともに重合速度が著しく増大することが判った。重合速度の温度依存性に極大と極小が現れる点は加圧下でも認められたが、極大の温度は、加圧下でのガラス転移点の上昇に伴って上昇し相対的に高温側に移動した。モノマーとしてはHEMAとGMAを用いた。
幕内 恵三; 浅野 雅春; 早川 直宏; 瀬口 忠男; 荒木 邦夫
日本化学会誌, 1975(11), p.1990 - 1994, 1975/11
PVdFの放射線橋かけに対する照射温度および照射後の熱処理の影響を検討し,分子鎖セグメントの運動性との関連を考察した。ポリエチレン,PVCなどにおいてはガラス転移によって橋かけ挙動が変化することが知られているが,PVdFでは,ガラス転移以外においても変化することが明らかとなった。すなわち,Tgよりも90C高温における50CでG(C)とG(S)の活性化エネルギーが変化し,50C以上の高温では橋かけと主鎖切断が抑制された。また,照射後の熱処理効果も著しく,高温ほどゲルが増加した。広幅NMRからの知見によると,50Cは分子鎖セグメントのミクロブラウン運動が活発になる温度であった。ミクロブラウン運動によって,主鎖切断方ラジカルと側鎖切断ラジカルとの末端結合が容易になり,橋かけと主鎖切断が抑制されると考察した。
嘉悦 勲; 伊藤 彰彦; 相根 典男*
J.Appl.Polym.Sci., 17(9), p.2753 - 2759, 1973/09
被引用回数:0アクリルアミド・アクリロニトリル等と硫酸・硝酸・りん酸等の無機酸の二成分混合系は、分子間相互作用が大きく安定な過冷却状態を実現する事実を見出し、これらの系の放射線重合及び発泡性につき研究した。これらの混合系はそのガラス転移温度(Tg)の組成依存性において典型的な二成分間相互作用型の特徴を示し、重合速度の温度依存性はガラス生成系の特徴である極大及び極小現象を示すことが認められた。アクリルアミド-尿素-硫酸系においては、照射中に重合と同時に発砲が起る事実が見出された。熱電対による追跡によって重合熱ポリマーの膨潤熱等により系の温度が上昇し尿素の分解温度及びポリマーの軟化温度以上に達していることが認められた。
嘉悦 勲; 伊藤 彰彦; 林晃 一郎*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 11(8), p.1811 - 1818, 1973/08
HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)及びGMA(グリシジルメタクリレート)とガラス性溶媒より成る二成分混合系の放射線重合を行い初期以降の重合段階における重合速度の組成及び温度への依存性につき研究した。均一重合系であるGMA-トリアセチン、HEMA-プロピレングリコール系において重合速度が一定重合率で加速から減速に転ずる変曲点が認められたがこの変曲点の重合率は重合温度がモノマー系のTv(ガラス転移点より30~50C高い温度)からポリマー系のTvまで変化する間に0%より100%まで変化した。また飽和重合収率は重合温度がモノマー系のTg(ガラス転移点)からポリマー系のTgまで変化する間に0%より100%まで変化した。不均一重合系であるHEMA-ジオクチルフタレート系においては均一系の特徴と異なり重合速度の変曲点は純モノマーと純ポリマーのTvによってのみ支配されまた飽和重合収率は純モノマーと純ポリマーのTgによってのみ支配されることが認められた。
岡本 次郎; 伊藤 政幸; 松田 修; 鈴木 伸武; 団野 晧文
JAERI-M 5476, 40 Pages, 1973/01
テトラフルオルエチレン-プロピレンとからなる共重合体の基礎的な性質、熱的性質、構造などについて検討しそれぞれ相互関係を明らかにした。また、エラストマーとしての二、三の性質、および本エラストマーの特殊性についても言及した。本共重合体は非晶性で交互性に富んだ共重合体であり、熱的性質はその分子量と各モノマ一の共重体中での配列に依存すること、分解温度は約360Cで非常に優れているが、ガラス転移温度が0~-10Cと多少難点があること、Fを含む高分子の特徴としての耐薬品性にも優れ、特にBrFに対しては他エラストマーと比較して優れた性質を示すことなどの結果を得た。